[メイン] GM : ─────郷に入っては郷に従え。
[メイン] GM : 従うことができない者は、共同体から摘み弾かれる。
[メイン] GM : 水と油は、決して混ざり合うことがない。
[メイン] GM : たとえ、望んだとしても、それは運命が拒む。
[メイン] GM : 生きたいことの、一体何が罪か?
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] 安心院アンジェリーナ : そろそろ寒くなってくる季節、秋。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
機械の補助なしには到底家すらも縮こまりそうな微妙な寒さが吹き荒れる。
そんな空の下、二人の少女が並んで歩いていた。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「うぅ〜……さむさむ!
最近は暖かさも安定しなくなってるわね〜」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 手袋を擦りながらも、体を縮こませ。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「イリヤちゃんは寒くない〜……?
あたし、こういう寒さ苦手なのよ〜」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 息を吐きながら、安心院と比べると背丈の小さな少女に目を向ける。
[メイン] イリヤ : 「た、確かに少し寒くなってきたかも…」
[メイン] イリヤ : プルプルと震えながら、手を擦り息を吐きかけている
[メイン] イリヤ : 「でも、美味しいケーキが待っていると思えば。この寒さにも耐えられるっ!」
[メイン] イリヤ : 「話題のお店なんだよね!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 少女に頷き。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「イリヤちゃんは偉いわねー、こんな寒いのに家族のためにケーキを買ってくる、なんて
あたしが小学生の頃、そんな親孝行なんてしてなかったわ、アハハ」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「そうそう、話題のお店
チェーン店らしいけど……近所のおじさんおばさんたちが噂してるくらい、美味しいそうよ」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ぷるぷると寒そうな様子に、イリヤに着ていた手袋を押し付けつつ。
[メイン] イリヤ : 「わ、いいよ! 安心院さんが寒いでしょ?」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : んー、とその答えに目を丸くしながらも。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「ん、それじゃあ半分こにしましょう
ほーんと、イリヤちゃんは優しい子ね」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 半分だけ、手袋を着けながら目の前の少女をみつめる。
[メイン] イリヤ : 「なら……うん、半分温まらせてもらいます!」
[メイン] イリヤ : 片手に、少し大きめの手袋を付ける
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「それに……そろそろ着きそうだしね
店に入ったらいくらかマシになると思うから」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ちらりと、目を向けた先には────。
[メイン] GM : 肌寒い季節だというのに、ずらりと立ち並ぶ行列が。
[メイン] イリヤ : 「わ、すごい…!」
[メイン]
GM :
そして、その先には可愛らしい洋装のケーキ屋さん。
「ラビットケーキ」だ。大手の有名洋菓子屋であり
この街にもついに店を構えたそうだ。
[メイン]
GM :
売られているケーキもまた、どれも可愛らしく
味もさすが大手と言うべきか、高クオリティであり、さらにお値段も安いケーキもあるということで、学生からも人気となっている。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「ワオ……! こんなに行列なんて、滅多にお目にかかれないわね!」
少し目を大きくしながらも。
[メイン] イリヤ : 「流石一流のお店…!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ラビットケーキ。大手有名洋菓子屋でありながら、日本各地に店舗を構えているお店。
そんじょそこらの地元のケーキ屋よりも安価で美味しい、と評判の最近台等している系列店。
何より見栄えが華やかで、季節を採り入れたケーキは昨今のSNS時代にピッタリの人気だろう。
[メイン]
GM :
アンジェリーナとイリヤの横を通り過ぎる、美味しそうなパフェを頬張る女子高校生達。
おそらくは、ラビットケーキで購入したのだろう。その甘い匂いは、二人の鼻にも通り抜ける。
[メイン]
イリヤ :
買い食い……良くないけど
こんなにいい匂いのお菓子なら、無理ないかも…
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「ん……」
その香りに、目を細めながら。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : そして、イリヤの顔にちらりと目を向ける。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「ふふ、お腹すいてきちゃった?」
[メイン] イリヤ : 「んー! 我慢できない、ならぼ!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : おおっ……!?と、その勢いに目を丸くしながらも。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「なら……一緒に共犯者、にでもなっちゃいましょうか!」
ひらひらと、お札を目の前でかざしながらも。
[メイン] イリヤ : 「おお…!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
あはは〜、無駄遣いは良くないんだけどなー。
まぁ、また荷物運びのお仕事増やせばいっか。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : そうして、イリヤとアンジェリーナは何分かの行列にも並びケーキ、パフェをそれぞれ購入した。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : さすが有名店でもあろうか。こんな人数がいても回転率は決して低くなく、待たせられた時間も少ない様に思えた。
[メイン] イリヤ : 「焦がれれば焦がれる程、愛しくなっちゃうもの……けど、遂に買えましたー!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「ううん、いい香りだわ〜……!
アハハ、あれだけの行列だったものね!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ハムっと、もう一口パフェを口にしつつも。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「しっかし……こんなにあの店が流行してるなら、他のお店は商売上がったりじゃないのかしらね」
[メイン] イリヤ : 「……あ、確かにそうかも…」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
アンジェリーナたちが買い終えたあとも、一行に行列は途切れることない。
きょろきょろ、と当たりを見回しながら。
[メイン] イリヤ : 「そういえば、この近くに。他にお菓子屋さんがあったような」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「ん……」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
イリヤの言葉に、目を細め。
ぱくぱくと、パフェを食べ進めながらも。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「そうね、確か"マルのお店"だっけ。
地元から続いている、そこそこ昔っからのお店があったようなー……」
[メイン]
GM :
そう─────この近くには、「マルのお店」と呼ばれる、この街に古くからある洋菓子屋さんがあり
地元の人にとっては、知る人ぞ知る、古き良きお店なのだが……。
[メイン]
GM :
ラビットケーキから、少し離れた場所にあるマルのお店は
閑古鳥が鳴いていた。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……あらら」
[メイン] イリヤ : 「…わぁ」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 苦笑いをする。しかし、これは当然と言えば当然かもしれない。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
チェーン店により地元の店が淘汰されるなんてよくある事だ。
なにせ普通の人にとって、自分にとって利益のある方を選ぶ。安価で美味しく綺麗なものがあるのなら、そちらを取るだけ。
……アンジェリーナは仕事により、地元の人と話す機会は多い。こうした愚痴も言われるため、思うところが無いわけでもなかったが。
[メイン]
イリヤ :
イリヤは知らない
この辺りは滅多に来ないし、うちの手伝いは家族揃って奉仕体質なのもあってか
買い物も頼まれることさえない
[メイン]
イリヤ :
だから、イリヤからしてみれば
寂れて当たり前の、寂しいお店なのだけれど…
[メイン] イリヤ : 「…あのお店、思い出とかあるの?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「あたし?……そーだねー、昔小さい頃、家族でケーキを買いに行ったことはあるかなぁ
ショーケースで選ぶの……楽しかった覚え、あるなー」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 指を顎に当てながらも、昔を想起しつつ。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……どうしたの、気になる?」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : にっ、と笑いながらイリヤと、そしてあの店を交互に見る。
[メイン] イリヤ : 「うん!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : その元気一杯の答えに、にこりと笑いかけて。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「それじゃあ……思い立ったが吉日って奴ね!
あたしも懐かしいし、いっちょ……行ってみましょうか!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : と、強引に連れていくように肩を掴み、進めていく。
[メイン]
イリヤ :
とっとっと、なんてよろめきつつ
足をすすめていく
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
イリヤは優しい子だ。
もしかしたら、こうした寂れていくあのお店に何か思うことでもあったのかもしれない。
[メイン]
GM :
そして二人は、マルのお店へと辿り着く。
そこは、ラビットケーキと違い、至ってシンプルな外装で
いわゆる、SNS映えするようなお店でもなく。
[メイン] マル : 「……ん?ああ!いらっしゃい!何か買っていくかい?」
[メイン]
マル :
そこには、赤髪の男勝りな女性店員がいた。
久々にやってきた客に喜んでいる様子だ。
[メイン]
GM :
並んである商品は、シンプルなケーキなどばかりであり
値段も、高すぎとまではいかないが、ラビットケーキで買った方がコスパが良く
より美味しいケーキを食べることができるであろうことが察せられるだろう。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
喜んでいた様子に、アハハ……と笑い返す。
流石にこんな顔をした人に、懐かしいから入っただけです、と冷やかしする訳にも行かない。
どれが安そうなケーキかをショーケースでちらちら、と。
[メイン]
イリヤ :
シュークリームに興味があるのか
そちらを見て、どれがいいか見定めている
[メイン] マル : 「お、シュークリームに興味があるのかい?いいねぇ!」
[メイン]
マル :
「実はその商品、うちの新作でね!
そうだ、少しばかり試食でもしてみないかい?」
[メイン] イリヤ : 「えっ いいんですか!?」
[メイン]
マル :
「ああもちろんだ!あたしは大した接客でもできねぇし
宣伝だって、まぁそんな得意じゃねぇし……」
[メイン]
マル :
「それなら、実際に食べてもらった方がはえーからな!アッハッハ!」
下町の香り漂うような、そんな雰囲気の女性であり、大笑いを一つ。
[メイン]
マル :
「それに……その商品は、うちの娘が考案してくれたんだ
ほら、ばえる?だったか……あたしはそういうの疎くてな」
[メイン]
マル :
「ここいらで、新しい風でも入れようかなってな!
な?アイ!」
赤髪の女性が後ろを振り向くと。
[メイン]
アイ :
「あうぅ……」
お店の奥から、こっそりと二人の様子を伺ってみていた、金髪の小さな女の子がいた。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「わっ、娘さんですか!こんにちは~!」
と、出てきたアイに手を振りながら。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 店主の様子に、太っ腹ですね~!と、返しながらも。
[メイン] イリヤ : 「わ、すっごーい!」
[メイン] アイ : 「こ、こんにちはー……」
[メイン] アイ : 恥ずかしそうに手を振りながらも、また隠れる。
[メイン]
イリヤ :
私より歳下…かな?
なのに、お店を手伝ってるんだ…!
[メイン]
マル :
「おいおいアイ~!久々のお客さんだぜー?
もうちょっと愛想良く行こうぜ?なー?」
ガハハ!と笑いながら、楽しげな雰囲気。
[メイン] アイ : 「だ、だって……不安、なんだもん……」
[メイン]
マル :
「大丈夫だって!あたしの腕とアイのアイデアがありゃ!
ラビットケーキにゃ負けねぇよ!」
[メイン]
マル :
ニッ!と笑いながら、ショーケースからシュークリームを一つ取り出し。
それを二つに切り、アンジェリーナとイリヤに渡す。
[メイン] マル : 「来店サービスってやつだ、まずは食ってみてくれ!」
[メイン] イリヤ : 「えと、では。ありがたくっ」
[メイン] イリヤ : 「いただきまーす!」
[メイン] GM : イリヤが食べたシュークリームの味、それは……。
[メイン]
イリヤ :
クリームを零さないように注意しつつ
シュークリームにかぶりつく
[メイン] GM : 割と、普通であった。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 感謝を伝えながらも、ぱくり、と口にするが。
[メイン] イリヤ : (……スーパーで買ったのと同じ味)
[メイン]
GM :
出来栄えとしては、コンビニスイーツくらいのものであった。
商品にはなると言えばなるだろうが、そのくらいだ。
[メイン] アイ : 二人がシュークリームを食べているのを、ドキドキしながら見ている。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
んん……さっきまでパフェを食べていた、っていうのもあるけど……
それにしても、普通……かなぁ。
[メイン] マル : 「どうだい?」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「ん……え、えっと、美味しいと思います!」
[メイン] アイ : 「…………」
[メイン] マル : 「………そうかい!ありがとうな嬢ちゃん!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
アハハ……と、ぽりぽりと頬を掻きながら。
申し訳ないけど、かといって思った感想をそのままいうわけにもいかなかった。
[メイン] イリヤ : 「お、美味しかったです!」
[メイン] マル : 二人の顔を見て、赤髪の女性もまた、微妙そうな表情になりつつも。
[メイン]
マル :
「……ま、アイデアは悪くはねぇはずなんだ
あとはまぁ、あたしの腕ってところだな」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : その顔に、なんともな顔になりながらも。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……ラビットケーキには負けない……ってことは
あのお店に人が引き抜かれて?」
[メイン]
GM :
ラビットケーキが無ければ、確かに昔懐かしの洋菓子の味として
地元の一部の人達に愛されるような、そんな商品であっただろうが。
[メイン] マル : 「……………アッハッハッハッハ!」
[メイン] マル : 大笑いをし。
[メイン]
マル :
「……痛ぇことに、そういうこったわな」
頭を掻きながら。
[メイン] マル : 「なんでまぁ、あーんな近いところに店を構えちまうんだか……」
[メイン] マル : 「……大企業様の考えってのは、わっかんねぇなぁ」
[メイン]
マル :
「っとっと……!悪い悪い!変なこと溢しちまったな!
今のは聞かなかったことにしてくれ!」
[メイン] イリヤ : 「……」
[メイン] イリヤ : 複雑そうな顔で、ラビットケーキの袋を隠すように後ろ手に持ち
[メイン] 安心院アンジェリーナ : あっ、いえ……こちらこそ嫌な事を聞いてしまい……!と、ぺこりと頭を下げながらも。
[メイン] マル : 「そう暗い顔をしないでくれ、まだあたしが負けたと決まったわけじゃないだろう?」
[メイン] マル : ニッ!と二人にはにかみながら。
[メイン]
マル :
「まだまだあたしはやれるぜ、それにここから挽回したらよぉ
かっけーだろ?あたしのじっちゃんにも褒められるかもなー」
[メイン] イリヤ : 「おじーちゃん……このお店、そんなに長く続いてるんですか…?」
[メイン] マル : 「まぁな、あたしが三代目ってとこでな」
[メイン] マル : えーとだから……と指を折りながら数え。
[メイン] マル : 「……あーー!算数わかんねぇ!大体100年くらいだ!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
100年……何気なく通ってたけど、そんなに老舗だったんだ……。
そんなに昔からあっても、今の流行りには乗っていけない……シビアな世界だなぁ、どこも……。
[メイン] イリヤ : 「わ、老舗だぁ…!」
[メイン] マル : だろう?とニヤリと笑いながら。
[メイン]
マル :
「そうだ!ここで会ったのも何かの縁ってやつかもしれねぇ
……どうだい?ちょっくらうちの、新商品開発の手伝いとか
やってくれたら、あたしとしては大助かりなんだが……」
[メイン]
マル :
「何せ、あたしの舌は古いもんでさ、アッハッハッハ!
アイの考案した商品全部、馬鹿美味く感じちまうんだ!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……新商品開発、ですか」
[メイン] イリヤ : 「で、できるのかな、私たちで…?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
先ほどの味は不味いわけでもない。ただ、とてもおいしいわけでもない。
これで戦うかと言われれば、難しい所だけれど。
ただ……こうしてほおっておくのも、それは苦い。
[メイン] イリヤ : 最近調理実習で大失敗したばっかりなんだけど…
[メイン] イリヤ : 「で、でも。お兄ちゃんなら、何かいい知恵があるかも知れないし、頼れるかも…!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : その言葉に、顔を向ける。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「こういうのは……イリヤちゃん
やってみたいか、やってみたくないか、で決めるといいんじゃないかな?」
[メイン] イリヤ : やるぞー、やるぞーと言い聞かせて…
[メイン] イリヤ : 「ふぇ?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「力になりたい、って思えば……難しくても、案外何とかなったりするかも、ってこと!
イリヤちゃんが、頑張りたいかで決めてもらったらどうかな、って」
[メイン] イリヤ : 「……」
[メイン]
イリヤ :
自分は、どうしたいかな。
やってもダメかもしれないし、このお店に思い出とかも無い……
[メイン] イリヤ : けれど……
[メイン] イリヤ : 「……やっぱり、手伝いたい! だって、街に美味しいお菓子屋さんは幾つあってもいいと思うから!」
[メイン] マル : 「! 本当かい!?そりゃあありがてぇ!」
[メイン] アイ : 「……!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : その答えに、にっ!と笑い返して。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「ふふ、その考え……いいと思うよ!
それじゃあ……店員さん!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「ここからここの、全部頂戴!」
と、並べられているケーキ類をずらっと指さして。
[メイン] マル : 「!?」
[メイン] アイ : 「!?!?」
[メイン] マル : 「お、おいおい!?いいのかい!?」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「勿論です!だって、新商品の開発をするなら……何が美味しいかとか、見つけた方がいいじゃないですか?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
にやり、と笑いながらも、財布の中身は凍えることになるだろうが。
あはは、当分ご飯はケーキかな。
[メイン] イリヤ : 「そ、そうだけど。さっきも買ってたのに、お金とか…!」
[メイン]
マル :
「それはその通りなんだが……まさか、そこまでしてくれるとは……
いや、正直なところありがたい、が……」
[メイン]
マル :
「だけど、手伝ってくれるならうちのケーキくらい、いくつでも
食べれるぜ?だからまぁ、無理に買わなくてもいいさ」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「いいのいいの、あたしはお仕事してるのは知ってるでしょ?
お金周りなんて、子どもが気にしなくて平気よ」
ひらひらと、手をイリヤに向けながら。ちょっぴり冷や汗。
[メイン] マル : 「それにあたしは、表情で大体何考えてんのかわかんのさ」
[メイン] マル : 「お金持ちのお嬢ちゃんってなら別なんだろうが、そうじゃないんだろう?」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ぎくり、と顔を引きつらせながら。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「アハハ~……流石、お母さんの目って所ですかね」
[メイン] マル : 「アッハッハッハ!古い人間舐めんなって話だ!」
[メイン]
マル :
「それに、うちの新商品開発の手伝いをしてくれるってだけでも
あたしからしたら、給料を払わなくちゃいけねぇような案件だしよ」
[メイン]
マル :
「だからそこらへんは、ほら、あれだ……
……うちの商品を、タダで食べるという感じで、なぁなぁに、な?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「…ん、それでフェアということにしましょうか
…正直、助かりました」
苦笑いをしながら、頬を掻きつつ。
[メイン] イリヤ : 「な、なるほど…」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
もし豪語して買い占めていたら、当分もやしとご飯の生活だったかもしれない。
イリヤちゃんの想いが素敵だからって、無茶しすぎてもダメだな~。反省反省。
[メイン]
マル :
「あんまし簡単に身銭切るような真似はしない方がいいぜー?
大切なもんは大事にしとかないと、いつ無くしちまうか……な」
[メイン] マル : お姉さんからのアドバイスだ。とニヤリと笑い。
[メイン]
マル :
「……んじゃ、明日か明後日あたりか、二人の都合の良い日に
うちに来てくれ!そん時に、うちが今開発してる菓子の試食会をするぜ!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
たまには年下にカッコつけたいんですよ、アハハ。と返しながらも。
その設けられた予定に、こくりと頷く。
[メイン] イリヤ : 「わ、わかりました! 頑張ります!」
[メイン] イリヤ : コクコクと頷き
[メイン]
マル :
カッコつけるなら、表情には出さない方がいいぜ?と
アンジェリーナにだけ聞こえる声で、ニヤリと笑いながら告げ。
[メイン] マル : 「んじゃ、またの御来店お待ちしてるぜっと」
[メイン] イリヤ : ぺこり、と頭を下げる
[メイン]
イリヤ :
…大丈夫、きっと大丈夫。
マルさんの家族が、100年繋いできたお店だもん
[メイン]
イリヤ :
ちょっと、不安な事も多いけれど
精一杯、できることをしてあげたい
[メイン]
イリヤ :
そして、出来ることなら
甘い結末が待っている事を、期待せずにはいられないのでした
[メイン] イリヤ :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : ─────そうして始まった、新商品開発!
[メイン]
GM :
ファーストデイでお出しされたショートケーキ。
味は……普通だった。
少なくとも、ラビットケーキには、勝てない。
[メイン] GM : 次の日にお出しされたチーズケーキ。
[メイン]
GM :
これもまた……普通。家庭科の授業で作ったものと同じような味であった。
見た目も、なんというか普通。美味しそうではあるものの
ラビットケーキで売られているケーキの色合いに比べてしまえば、劣っている。
[メイン]
GM :
そしてまた、次の日にお出しされたモンブラン。
特に深みの無い甘さと、ただゴツゴツしてるだけの栗。
味としては、これまた普通。印象に悪い意味で残らない。
[メイン]
マル :
「………アッハッハッハ!いやぁ若い子の感想ってのは
やっぱありがてぇなぁ!うっし!あたしももっと頑張らねーとな!」
[メイン] GM : それでもマルの笑顔は、絶えなかった。
[メイン] GM : ラビットケーキに負けないくらいの、みんなに愛されるケーキ作りを目指し─────。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
そして、その日もまた試食会を終えた。味は、普通。
特にこれといった進展も無いまま。
アンジェリーナとイリヤは、帰路にいた。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「はふー、いやー……思ったよりも疲れるものだねぇ〜」
[メイン] イリヤ : 「むむ……改善案、なんてどうやって出したらいいのか…」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ぐっと手や腰を伸ばしながら。
ふう、と息を付く。
[メイン] GM : すると─────。
[メイン] GM : ピロリン。
[メイン]
GM :
二人の手元にある……マジカルガールのみが持つことを許される。
可愛らしいデザインの端末から音が鳴る。
[メイン] イリヤ : 「あれ、お知らせ?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
企業努力とは凄まじいものだ。
手料理が絶対に企業のものに勝るとは、必ずしもそう言える訳では無い。
企業が売られるためにどうすればいいのかを多人数で研究し、独自のオリジナリティを出す。
そうして売られているものを、たかが人が増えただけで簡単に超えられるほど、甘くは無い……ということで。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : なんて、思っていれば。
[メイン] イリヤ : 端末をパカリ、と音を立てて開き
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……あれ?」
[メイン] ミルク : 『グッ』
[メイン] 安心院アンジェリーナ : イリヤと声が被りながらも、端末を見やれば。
[メイン] ミルク : そこには、キボーの姿が映っていた。
[メイン] イリヤ : 「……」
[メイン] イリヤ : 「床屋さんは選ばないとね」
[メイン] イリヤ : イリヤは謎のフォローに走った
[メイン]
ミルク :
可愛らしい動物のような姿をしたその妖精は
マジカルガール達に、ネガティ出現を知らせるために存在する
いわゆる、仲介役のような役目をしており。
[メイン] ミルク : 『?』
[メイン] イリヤ : 「いや、なんでもないよ……」
[メイン] イリヤ : 前見た時はモフモフで可愛かったのに…
[メイン] ミルク : 『見る目がなんかちょっとおかしいわぁ~』
[メイン] イリヤ : 「っと、そんな事より。どうしたの?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「5cmの髪型っぽいなーって思ったんじゃない?」
やけに的確に言いつつも。
[メイン] ミルク : 『ネガティ反応がありますがな』
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「ええと……そうだね。
連絡したってことは、近くに……"いる"?」
[メイン] ミルク : つぶらな瞳で二人を見やりながら。
[メイン] ミルク : 『お察しが良いポメ~』
[メイン]
ミルク :
アンジェリーナの言う通り、こうしてキボーからネガティ反応を知らされるマジカルガールというのは
その反応場所に近い位置にいる者達であり。
[メイン] ミルク : 『調査をぽめしくお願いしますがな』
[メイン] イリヤ : 「わかった! 腹ごなしの運動ついでにサクッと見つけちゃうね!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「おっけー、なるべく他に被害が出ないように、ね
調査と……対処はいつも通り、で大丈夫?」
[メイン]
ミルク :
『ポメ~』
その通りの意だ。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ネガティは、人の負の感情から生まれたもの。
その負の感情に任せれば、どれだけの被害が出るかも分からない。人の負の想いは、他を侵食するほど強い感情でもあるのだから。
そのため、なるべく早めの対処をしなくてはならない。それが出来るのは……マジカルガールだけなのだから。
[メイン] ミルク : 『!』
[メイン] ミルク : 『☆最新情報ちゃん☆』
[メイン] イリヤ : 「!」
[メイン] ミルク : 『ネガティ反応が激しく動いてますがな、これなら探知も容易いわぁ~』
[メイン] ミルク : 『場所は─────』
[メイン] ミルク : ─────そして、端末にマップが記される。そこは……。
[メイン] ミルク : マルのお店がある場所だった。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : アンジェリーナの眉が、へし曲がる。
[メイン] イリヤ : 「なっ──!?」
[メイン] イリヤ : 「ルビー!!!」
[メイン] ミルク : 『被害がこわいわぁ~』
[メイン] ミルク : 急行を要するであろう。
[メイン] マジカル・ルビー : 「はいはーい!! 今回はバンクも省略!急行しましょー!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……最短最速で行くね
処理は任せたよ、ミルクちゃん」
[メイン] イリヤ : 光に包まれ、全身を魔法少女らしい──主にルビーの趣味により──衣装に身を包む
[メイン] ミルク : 『お任せポメ~ん』
[メイン] 安心院アンジェリーナ : < 秘杖・反重力>LV8 【マジカル】技能:重力を操作する。どんなに重いものでも、アンジェリーナの手で羽よりも軽くできる。
[メイン] system : [ 安心院アンジェリーナ ] 魔力 : 12 → 11
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「イリヤちゃん……行こう!
あなたとあたしを、お届け先まで最短で飛ばしてあげるよ」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ぱしり、とイリヤの肩に触れると。
まるでイリヤの重さが嘘のように軽く。
[メイン] イリヤ : 「わ……! ありがと!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ふわりと自らの重力も操作し。
空のルートで、屋根をつたい向かおうとする。
ポメに任せたのは、これを見られていた際の記憶処理だ。
[メイン] GM : ─────そして、二人は急行する。
[メイン] GM : だんだん、だんだんと、肌が冷えていく。
[メイン] GM : これは、秋風によるものか?
[メイン] GM : 否。
[メイン] GM :
[メイン] GM : その場所へ向かうと─────。
[メイン] GM : 人々の悲鳴。
[メイン] GM : そして、氷漬けとなった、ラビットケーキ。
[メイン] GM : そこには、非日常的光景が広がっていた。
[メイン] GM :
[メイン] GM : 衝撃判定:難易度10。
[メイン] イリヤ : 「寒い…? でも、こんなに急に下がるなんて…!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1D+4>= 衝撃判定
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1D+4>=10 衝撃判定 (1D6+4>=10) > 5[5]+4 > 9 > 失敗
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1d10 (1D10) > 4
[メイン] system : [ 安心院アンジェリーナ ] 穢れ : 4 → 8
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1d6 (1D6) > 2
[メイン] system : [ 安心院アンジェリーナ ] 穢れ : 8 → 6
[メイン] イリヤ : 5d6>=10 (5D6>=10) > 21[1,6,6,5,3] > 21 > 成功
[メイン] system : [ イリヤ ] 穢れ : 0 → 1
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「…………ッ」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ぞわり、と背筋が凍る。
それは寒気によるものか、それともこの非現実的なあり方か。
[メイン] イリヤ : 「そ、そんな…! あれじゃあ、中にもし人がいたら…!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
周囲を見渡しても、凍りついているのは目の前の店一つだけ。
ネガティは通常、衝動のまま暴れるだけ暴走する。手当り次第周りのものを破壊するなんてざらだ。
それなのに……この店は。
まるで閉ざすかのように、拒絶するかのように。
何層にも凍りつき、誰も入って来れないかのようだ。
[メイン] GM : そして。
[メイン] GM : 店の前に立っている、一人の少女。
[メイン] GM : 二人にとっても、見覚えのある少女。
[メイン] アイ : 「………………」
[メイン] イリヤ : 「ッ……!」
[メイン] アイ : 金髪の少女の、その手には─────びっしりと、透明な青白い氷が、張り付いていた。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : その光景に、たらり……と冷や汗をかく。
[メイン]
イリヤ :
反応が、あったのに。
周りには、私達以外に…人はいない
[メイン] イリヤ : 何度空から見渡しても、隠れられそうな場所を目を凝らそうが。容疑者はただ一人
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……これは、あなたがやったの?」
[メイン] アイ : 「………!」
[メイン] アイ : その声に反応し、振り返る。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ちらりと、アイに目を向ける。
ゴクリと息を飲みながらも、冷や汗を垂らしながら。
[メイン] アイ : そして。
[メイン] アイ : 拒絶するかのように─────。
[メイン] アイ :
[メイン] アイ : 《氷魔法》LV5
[メイン] アイ :
[メイン] GM : アイと、そしてアンジェリーナとの間に、分厚い大きな氷の壁が形成される。
[メイン] イリヤ : 「どう、して──ッ!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「これは……ッ!」
合わてて杖を振ろうとするも、その壁に阻まれる。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
魔法の力は、その人が果たして魔力をどれだけ引き出すか、によって左右される。
人が持つ器の大きさは決まっており、その中からいくらだけ水を掬うのか。掬ったミズノ分だけ魔力は行使される。
……だが、目の前の少女は家一軒を凍りつかせてもなお、息をつくまもなく分厚い氷の壁を作り出した。
大量の水を掬った器には、もう水など残っていないはずなのに。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 器の大きさの決まっている"人"なら……到底、難しいことだ。あたし達のように。
[メイン] イリヤ : 「待って、こんな。何でこんな事したかくらい、教えてよ!!」
[メイン] イリヤ : 氷の壁に向かい、悲痛な声を叩きつける
[メイン] GM : ─────その答えは、返ってこない。
[メイン] イリヤ : 「……ッ!!」
[メイン] GM : 見えない氷の壁の向こうからはもう、何も。
[メイン] イリヤ : 「こんな壁で、邪魔するなら……こんな壁が、私を阻むなら……!!」
[メイン] イリヤ : そんな物が、言葉の熱も。心も奪うのなら──!!!
[メイン] イリヤ : 「ぶっ壊す!!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
……あたしの魔法は、破壊に向いてない……
この壁にも……簡単に阻まれてしまう……
[メイン] イリヤ : 大きくステッキを振りかぶり、先端に魔力球を圧縮し続け……
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……イリヤ……ちゃん!?」
大声で叫んだ少女に、目を大きく。
……こんな分厚い、魔力の込められた壁を……壊せるの……!?
[メイン] イリヤ : 「砲撃(フォイア)!!!」
[メイン] イリヤ : 一気に振りかぶり、解き放つ!!
[メイン] イリヤ : 4D+4>=10 【マジカル】判定 (4D6+4>=10) > 13[5,5,2,1]+4 > 17 > 成功
[メイン] GM : ピキィッ……パキ、パキパキパキッ………。
[メイン] GM : バキィイイインッ!!!!
[メイン] GM : 巨大な氷の壁が音を立てて、崩壊する。
[メイン] GM : しかし─────冷たい壁の向こうにはもう、少女の姿は無かった。
[メイン] GM :
[メイン] イリヤ : 「ッ……!!」
[メイン] system : [ イリヤ ] 魔力 : 10 → 9
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
[情報項目]
・アイの行方について
【マジカル】判定、難易度12
・犠牲者について
【お喋り】判定、難易度8
[メイン] GM :
[メイン] イリヤ : アイの行方について 難易度12
[メイン] イリヤ : 4D+4>=12 【マジカル】判定 (4D6+4>=12) > 10[4,1,1,4]+4 > 14 > 成功
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・アイの行方について
激しく、強いネガティ反応を放っているため、その位置の特定は用意だ。
現在、アイは真っ直ぐと、公道を走っている。その先には、特にこれといったものはない。
宛もなく、ただ走り続けている様子だ。追えば、大きい広場で彼女と鉢合わせることができるだろう。
そして、ネガティ反応をアイから検知できるということは即ち、彼女はネガティだ。
人類と決して相容れることのできない、負の感情が顕現した存在だ。
たとえどんな理由があったとしても、討伐しなければならないだろう。
[メイン] GM :
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
・犠牲者について
【お喋り】判定、難易度8
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1D+8>=8 【お喋り】判定 (1D6+8>=8) > 4[4]+8 > 12 > 成功
[メイン] 安心院アンジェリーナ : あ、違うや
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1D+0>=8 【お喋り】判定 (1D6+0>=8) > 2[2]+0 > 2 > 失敗
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 達成値上昇!
[メイン] system : [ 安心院アンジェリーナ ] 魔力 : 11 → 10
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1D+2>=8 (1D6+2>=8) > 1[1]+2 > 3 > 失敗
[メイン] system : [ 安心院アンジェリーナ ] 魔力 : 10 → 9
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1d+3=>8 (1D6+3>=8) > 5[5]+3 > 8 > 成功
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
・犠牲者について
現在、氷漬けにされているラビットケーキの中に、店員や一般市民が囚われている。
その生体反応は未だ健在だが、脱出不可能な状態となっている。
ラビットケーキを包み込む氷の壁は、強大な魔力が使われており、破壊するには半日要するだろう。
このまま放っておけば、中にいる人々は凍死してしまうことは間違いないだろう。
この魔法を解除するには─────魔法を行使したネガティを討伐するしかない。
[メイン] GM :
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「…………なんてこと」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
額をぐりぐりと強く抑え、ぎり、と歯を立てる。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
あんな事を容易く行えるのは、人ではない。
近くにいる全員のマジカルガールの力を借りても、あの強大な壁は破壊することはできるだろうか。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : それは可能だろう、きっと閉じ込められた人が凍死した後で。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……イリヤちゃん」
[メイン] イリヤ : 「……」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ちらりと、彼女を目に向けたまま。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……あなたは、あの氷を壊すように専念して」
[メイン] イリヤ : 「でも、アイを追いかけないと…!!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : あの氷とは、ラビットケーキの店のこと。氷漬けになった場所を指さしながら。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 手袋を握り締め、イリヤに目を向ける。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……追いかけて、どうするの?」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「魔法の解除方法は、魔法を使った主が魔法を解除する意志があること。
または……」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……その命が奪われること。」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……あの子は……ネガティ
普通の子に見えてたけど、ああして反応が途切れていないのなら……信じがたいけど、そういうこと、なんだわ」
[メイン] イリヤ : 「…そんな事……私も、知ってるけど…!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
頭をぐしぐし、と掻く。
全く……気づかなかった。……この子をはじめから、あの店に近づかせるべきではなかったのかもしれない。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「…………」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : じっと、その小さな瞳を見ながら。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「あたしは、あの”ネガティ”の命を奪いに行く
……あなたに、それを見せることは出来ないわ」
[メイン] イリヤ : 「ッ…!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
人が働いている日常を、いともたやすく氷付かせる。
そんな芸当が出来るネガティを、放置するわけにはいかない。一人のマジカルガールとして。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ……たとえそれが、数日間一緒に笑い合った、少女だとしても、だ。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……あなたは、覚悟があるの?
共に過ごしてきたあの子を、手に掛ける、その覚悟が」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
……自分で言っていて、自分が嫌になる。
けれど、伝えなくてはならない。
……マジカルガールは、”しなくてもいい”。
[メイン] イリヤ : 「……そんな覚悟は、してない」
[メイン] イリヤ : したくもないから、このまま逃げるのも。アンジェリーナが与えてくれた選択肢だ
[メイン] イリヤ : …それを、ふいにするのは申し訳ないけれど
[メイン] イリヤ : 「私は、全力でアイを止める!!」
[メイン]
イリヤ :
覚悟すべき事は一つ、死ぬ気で挑む事
常に結果に至れるわけでない事など、身に染みてわかっているから…!!
[メイン] イリヤ : 「そして、安心院さん一人に、背負わせたりなんかしない!!」
[メイン] イリヤ : 「ずっと、ずっと一緒だったのは。あなたも同じでしょ!!」
[メイン]
イリヤ :
これは、イリヤとアイの二人に共通する事
どちらも共に過ごし、笑ってきた
[メイン] イリヤ : その二人に背を向けせる真似をして、へらりと笑えるほど腐っていない
[メイン] イリヤ : そして、何よりも──!!!
[メイン] イリヤ : 「マジカルガール……魔法少女、なら」
[メイン] イリヤ : 「あきらめない事が、正解だと思うから……!!」
[メイン] イリヤ : ここで、現実的などに縋って何が魔法だ。逃げていいなら……
[メイン] イリヤ : 挑んでならぬ理屈があるもんか
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
すぅ。と、圧倒されたかのように息を吸った。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 私が……間違ってた。覚悟があるわけじゃない、殺したい気持ちなんてあるわけがない。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
……ただ、この子は……優しい。
人一倍、誰かを想う心を、持っている。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : まさしく、諦めないその姿が────。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「ハハ……どっちが先輩なんだか、って話ね」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 抑えていた手を話し、にこりと笑う。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……そうね、あの子を”止める”。
あなたの思いに負けたわ、イリヤ」
[メイン] イリヤ : 「…!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
手をひらひらと、させながらも、じっと、その小さな少女を見る。
まだ小学生なのに、そこに詰まった優しさが光って見えるようで。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……魔法っていうのは、何も、マジカルガールの力だけじゃない」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「”諦めないこと”、それが魔法って言える……
……あなたを見て、そう思えたわ」
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] GM : ─────そして二人は、駆け出す。
[メイン] GM : 少女の跡を追い。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : やがて辿り着く。
[メイン] GM : 茜色の夕焼けが差し込む、公園に。
[メイン] GM : そしてその中央に、少女はいた。
[メイン] アイ : 「はぁ……!はぁ……!」
[メイン] アイ : 身から溢れ出す負の感情が、形として零れていくように。
[メイン] アイ : ぴき、ぴき、ぴきぴきぴき……と、少女の立つ地面から、氷が張っていく。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ふわりと、そこに着地する二つの影。
[メイン] アイ : 「─────!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
アイはその影が、果たして誰なのか、ということは。
過ごしてきた時間で、理解できるだろう。
[メイン] イリヤ : 「見つ、けた──!!」
[メイン] アイ : 「………お姉さん達……!……やっぱり、勘違いじゃ、なかった」
[メイン] アイ : 「……マジカルガール」
[メイン] イリヤ : 「…そうだよ」
[メイン] アイ : 「…………」
[メイン] アイ : 「………それじゃあ……私をやっつけに来た……っていうことだよね」
[メイン] アイ : 「……だって、そうだもん、私は─────」
[メイン] アイ : 「─────ネガティだもん」
[メイン] イリヤ : 「……お母さんは、知ってるの?」
[メイン] アイ : 首を横に振る。
[メイン] アイ : 「……お母さんは……ううん、マルさんは……私を、拾ってくれた人」
[メイン]
アイ :
「何も知らない人……でも………すごく、優しかった
この世界のことも、この先どうしたらいいかも
生き方も分からない私に……居場所を与えてくれた人」
[メイン] アイ : 「…………ねぇ、お姉さん達は、さ」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
……そうだったんだ。
家計だって余裕があるわけじゃないのに、アイちゃんを拾って育ててたんだ……。
[メイン]
アイ :
「……自分と、そして一緒にいたい人が……
絶対に、一緒にいられるような関係じゃなかったとしたら」
[メイン] アイ : 「どうするの……?」
[メイン] イリヤ : 「…そんな絶対、受け入れない。だから、アイちゃんもあんな事をしたの?」
[メイン] アイ : 「……………」
[メイン] アイ : 「……私は、"劣等感"」
[メイン] アイ : 「マルさんは……ずっと、ずっとその感情が、奥にあった」
[メイン] アイ : 「きっと、お父さんや、お爺さんに……それと、周りに人にも」
[メイン]
アイ :
「だから私は……劣等感を持ってるマルさんに惹かれたのかもしれない
私も……"劣等感"そのものだから……でも、結局それは……」
[メイン]
アイ :
「……マルさんの、劣等感が大きくなればなるほど……
私の、ネガティとしての衝動を、大きくするものになる、から……」
[メイン]
アイ :
「………抑えきれなかったし、それに……
正直、これでもいいやって、思ってる自分が、いるんだ
……こうすれば、マルさんの"劣等感"が一つ、消えるかもしれないから」
[メイン] アイ : 「─────お姉さん達には、無いの?」
[メイン] アイ : 「"劣等感"」
[メイン] イリヤ : 少し、俯いて 真っ直ぐと見つめ返し
[メイン] イリヤ : 「あるよ、すごく沢山……」
[メイン] アイ : 「………」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 小さく頷きながら、イリヤへと目をやる。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
劣等感。そんなのは、生きていれば誰しもが抱えるもの。
ただ……マルさんは、きっとそれが……人よりも大きかったんだ。
ラビットケーキの存在。100年も続く老舗のプレッシャー。
あたしたちが日々こうして菓子作りをしていたのも、もしかすればその劣等感を育む一つになっていたかもしれない。
……そして、ネガティを生むほどまでに大きく膨らんでしまった。
[メイン]
イリヤ :
「私は、お兄ちゃんみたいに我慢ができないし。セラみたいに気を配れない」
地に降り、アイの方へと歩みながら
[メイン] アイ : 「………」
[メイン] アイ : 拒むことなく、歩み寄るイリヤをじっと見る。
[メイン] イリヤ : 「美遊みたいな天才じゃないし、クロみたいに大人のフリだってできない」
[メイン]
イリヤ :
景色を置き去りにして歩を進め
冷たい風の根源へと向かっていく
[メイン] イリヤ : 「…安心院さんみたいな、勇気だって無いと思う」
[メイン]
イリヤ :
一人になるのなんて、怖くて仕方がない
一度経験したなら、二度と手放せないし、動けないと思う
[メイン] イリヤ : 「……でも」
[メイン] イリヤ : 「一度だって、劣等感を消そうとは思った事がない」
[メイン] アイ : 「…………!!」
[メイン] イリヤ : アイに、手が届く位置まで辿り着く
[メイン] イリヤ : 「それは、憧れだから。負けたくないっていう」
[メイン] アイ : "負の感情"を、拒むことを、拒む少女に驚く。
[メイン] イリヤ : 「ううん、いつかは勝てるっていう。私の期待……夢だもん!!」
[メイン] イリヤ : 全ては表裏一体だ
[メイン] アイ : 「夢………」
[メイン]
イリヤ :
正義だって悪になる、秩序だって混沌を呼ぶ
なら、劣等感はなんだろう?
[メイン] イリヤ : きっと、その反対は夢だろう
[メイン]
イリヤ :
夢見るからこそ、先を描くからこそ
今が悔しくて仕方がない
[メイン] イリヤ : それは、時に人を蝕む毒になるのだろう……けれど
[メイン] : 「言うは易し」
[メイン] : 「行うは難し」
[メイン] イリヤ : 「ッ…!」
[メイン] : 「─────劣等感を受け入れるだぁ?」
[メイン] : 「んなことしたところで、結局人はそれを嫌がる」
[メイン]
ネガウルフ :
─────ドスの利いた声と共に、イリヤとアイの間に降り立つ
一匹の、巨大な狼男。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「…………ッ……!?」
[メイン] ネガウルフ : 「所詮よォ!人は"孤独"だ!」
[メイン] ネガウルフ : 「一匹狼なんだよォ!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
冷や汗が、たらりと。
そして即座に杖を構える。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「イリヤちゃん!アイちゃん!気を付けてッ……!
そいつは────」
[メイン]
ネガウルフ :
「どう言葉を紡ごうが、どうだ?
結局アイのとこの店は、大きなモンによって潰される」
[メイン] ネガウルフ : 「夢は叶えるもん?冗談キツイぜ」
[メイン] ネガウルフ : 「んなもんが誰にでも通るってんならよォ!!!」
[メイン]
ネガウルフ :
「"負の感情"なんて、起こりやしねェんだ!!!!
俺様達はここに!!!いねェんだよォ!!!!!!」
[メイン] ネガウルフ : 吠えるような怒号が、広場に響く。
[メイン] アイ : 「……………!!」
[メイン]
アイ :
─────イリヤの言葉に、アイは折れそうになっていた。
劣等感を夢とするならば、それは……人との共存に成り得る、が。
[メイン] アイ : しかし……。
[メイン] アイ : 現実問題は、そううまくいかない。
[メイン]
アイ :
アイのお店は、このままではラビットケーキによって潰される。
それは、誰だ見たところで否定できない事実であり。
ここから逆転するための一手も、もうどこにもありやしない。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「────ネガティ、ネガウルフ……!!!」
[メイン] イリヤ : 「まさか、あんな大物が…!!」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……あなたは、邪魔しに来たの?
この子たちの想いの伝えあいを」
[メイン] ネガウルフ : 「そうだ」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ごくりと息を呑み、ツインテールが風が揺れながらも。
杖を構え、しっかりと立つ。
[メイン] ネガウルフ : 「そしてアイを、俺様達─────クライカンパニーの仲間に引き入れる」
[メイン] ネガウルフ : ニヤリと笑い。
[メイン]
ネガウルフ :
「俺様達クライカンパニーによってこの世界の支配が完遂すりゃ
人類は、俺様達の言いなりとなる、そうりゃ─────
少なくとも、アイの大事なやつァ、守れるだろう?」
[メイン] ネガウルフ : 「"劣等感"が肥大化し、追い込まれた人間は最終的にどうなると思う?」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……現実と自分の差にさいなまれ、死の道を選ぼうとする」
[メイン] ネガウルフ : ニィッ、と笑う。
[メイン] イリヤ : 「……!!」
[メイン] ネガウルフ : 「賢い女は嫌いじゃねぇぜェ?」
[メイン]
ネガウルフ :
「脆いんだよ、人間は
だからこそ、俺達みてぇな存在ができる」
[メイン] ネガウルフ : 「夢や希望なんざ、紛いモンだッッ!!分かったかッ!?」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……あたしたちは……あなたの言う通り、脆いよ」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「でもさ、あなたにも……その脆い相手がいたんじゃないの?
アイちゃんを生み出した、マルさんがいるように……」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 冷や汗はたらりと。しかし、それはどうしても尋ねていたかった。
[メイン] ネガウルフ :
[メイン] ネガウルフ : 《一匹狼》LV6
[メイン] ネガウルフ :
[メイン] ネガウルフ : ─────素早い身のこなしで、一瞬にしてアンジェリーナに接近。
[メイン] ネガウルフ : 鋭く黒光る巨大な爪が、その喉元に当てられる。
[メイン]
ネガウルフ :
「俺様を知った気になってんじゃねェ─────胸糞悪ィ」
その瞳には、殺意が込められていた。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「だから──── ッ」
[メイン] ネガウルフ : 「俺様は─────"一匹狼"だ」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 冷たい、殺意の爪がアンジェリーナの顎を持ち上げる。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
一瞬の隙を突かれたマジカルガールの命など容易い。
接近を許した魔法使いは、脆い。
[メイン] GM : ─────戦闘開始。
[メイン] GM : マジカルガール達にとっての非日常は、深まる。
[メイン] GM : 衝撃判定:難易度10。
[メイン] イリヤ : 5D+1>= 衝撃判定
[メイン] イリヤ : 5D+1>=10 衝撃判定 (5D6+1>=10) > 10[1,1,3,4,1]+1 > 11 > 成功
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1D+6>=10 衝撃判定 (1D6+6>=10) > 4[4]+6 > 10 > 成功
[メイン] system : [ 安心院アンジェリーナ ] 穢れ : 6 → 7
[メイン] ネガウルフ :
[メイン] ネガウルフ : ─────そのまま、ネガウルフは一閃。
[メイン] ネガウルフ : 7D+6>=8 【元気】判定《一匹狼》LV6 対象:アンジェリーナ (7D6+6>=8) > 16[2,2,6,2,1,1,2]+6 > 22 > 成功
[メイン] ネガウルフ : 7D+6 ダメージロール《一匹狼》LV6 (7D6+6) > 28[5,4,4,2,6,1,6]+6 > 34
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……くッ……!!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 魔力を1減らしてダメージを0に!
[メイン] system : [ 安心院アンジェリーナ ] 魔力 : 9 → 8
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
その一閃は────一瞬、異常なまでに重くなる。
[メイン] ネガウルフ : 「ケッ!!良い反応だと言わざるを得ねェなァッッ!!!」
[メイン] ネガウルフ : 大きく飛躍し、距離を取る。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
まるでこの公園全てを背負うかのような、重さ。
その一瞬を突き、体を逸らしたが。
[メイン]
アイ :
「………!!お、お姉さん……!」
ネガティであるはずの少女は、その戦いに─────戸惑っていた。
[メイン] アイ : 自ら攻撃を仕掛けるという選択は、この存在にはどこにも無かった。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……ッ、はあ……こちらこそ、一瞬が命取りなんてね……
絶対絶命のピンチ、ってやつかな……ハハ」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : あれが当たっていれば、恐らくアンジェリーナは張り付いた笑みを浮かべる事すらできずに、血をまき散らしていただろう。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : しかし、こちらに目を向けるアイに────手を振り返して。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……でもね、ネガウルフ
あなたが孤独にさせたくっても────」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
< 秘杖・反重力>LV8 【マジカル】技能:重力を操作する。どんなに重いものでも、アンジェリーナの手で羽よりも軽くできる。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
杖が構えられ、ふわりと舞う。
アンジェリーナの周囲に、岩や塵が浮かび上がり。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「────友達の再会の邪魔は、見過ごせないわね!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 4D+8>=13 【マジカル】判定 (4D6+8>=13) > 12[4,3,1,4]+8 > 20 > 成功
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 魔力を6消費!ダメージロールに追加!
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 4+6D+8 ダメージロール (4+6D6+8) > 4+25[6,4,4,6,2,3]+8 > 37
[メイン] system : [ ネガウルフ ] 体力 : 50 → 13
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
光速かにも見えるネガウルフの動きを、重力で操ることで操作し。
ようやく当たった────一撃。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……あなたのことは確かに知らないわ
こうして、止めるために戦うしかないのだから」
[メイン] ネガウルフ : 「─────ぐはァアッ!!?」
[メイン]
ネガウルフ :
飛来する瓦礫を、驚異的な身体能力で弾いていくも。
その連鎖は止まらず、やがて大きな岩がネガウルフの顔面を殴る。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
……恐らく、次を当てることはできない。
あの力だ、マジカルガールの魔術など、一芸などと見切られてまうだろう。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
「……でもね、ネガティのアイと、人間のイリヤ
もしあの子たちが友達になれるなら……」
[メイン]
ネガウルフ :
そのまま吹き飛ばされていくも─────宙で回転し、受け身を取る。
そのまま、軽やかに着地をする。
[メイン]
ネガウルフ :
「ゼェ……!ゼェ……!ゲハハハハハハハ!!!
今のは確かに効いたぜェ!!だが……まだまだァッ!!」
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「────あなたとあたしだって、なれたって楽しいと思わない?」
[メイン] ネガウルフ : その言葉に、ネガウルフの表情が大きく歪み。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ひゅん、と杖を一回転させ、地面に落ちながらも。
ネガウルフへと、目をやりながら。
[メイン] ネガウルフ : 「なれっこ………なれっこ……!!ねェだろうがッッッッ!!!」
[メイン] ネガウルフ : そのまま、再びアンジェリーナへと飛び掛かろうとし─────。
[メイン] イリヤ : その隙に……いいや
[メイン] イリヤ : 「うおおおおおおおおおお!!!!」
[メイン]
イリヤ :
隙を突くつもりなど毛頭無く
大声を上げながら、自分の足で突撃を敢行した
[メイン] イリヤ : 奇襲の利点を投げ捨てて、ましてや──
[メイン] ネガウルフ : 「─────ッッ!?!?」
[メイン] ネガウルフ : 思わず、その大声の方へを振り向き、警戒態勢を取り。
[メイン] マジカル・ルビー : 「ちょ、ちょっとイリヤさん!? 流石に魔力障壁も無しに身体強化に全振りはヤバいですよ!?」
[メイン] イリヤ : 「関係ない!! わからずやが相手なら、真っ直ぐ進んで。ぶつかる以外にないんだから!!」
[メイン] system : [ イリヤ ] 魔力 : 9 → 0
[メイン] イリヤ : 得意の魔法を投げ捨て、激突の為だけに走り出していた───!!
[メイン] イリヤ : 「ネガウルフ、貴方は。夢を叶えるなんて嘘だと言った。 みんな、一匹狼だとも!!」
[メイン] イリヤ : 「それでいいと、貴方は思ってない筈!!」
[メイン] イリヤ : 「違う!?」
[メイン] ネガウルフ : 「なッッッ─────!?」
[メイン] イリヤ : 全速力で、大声を上げながら駆けていく
[メイン] ネガウルフ : 「んなわけがァァアアアアアッッッ!!!無ぇえええッッ!!!!」
[メイン] イリヤ : 迎撃さえも余裕だろう、何故なら。速度では間違いなくイリヤが負けている
[メイン] ネガウルフ : 方向転換し、そして─────。
[メイン]
イリヤ :
どころか、逃げ出されれば魔力だけが消えて
直撃すると言うのだから。愚策も愚策
[メイン] ネガウルフ : イリヤに、その怒りをぶつけるかのように、駆け出すッ。
[メイン] イリヤ : だが────!!
[メイン] イリヤ : 「ならッ!! どうして、貴方は孤独のままなの!!」
[メイン] イリヤ : そう、孤独を肯定する今でさえ
[メイン] ネガウルフ : 「それはッッ!!!俺様がッッッ!!!!」
[メイン] ネガウルフ : 「─────"一匹狼"そのものだからだァアアアアアッッッ!!!!」
[メイン] イリヤ : ネガウルフは、孤独のネガティだ
[メイン] イリヤ : そう。ネガティ
[メイン] ネガウルフ : ─────鋭く、黒光るその爪をッッ!!!
[メイン] ネガウルフ : イリヤに、突き立てようと─────。
[メイン] イリヤ : 「ならッ!!!」
[メイン]
イリヤ :
掌を、迫る爪に向かい突き出し
突き破られる事も厭わず、手を繋ぐ
[メイン] イリヤ : 「どうして、アイを助けに来たの!?」
[メイン] ネガウルフ : 「─────ッッッッ!!!?」
[メイン]
イリヤ :
例え、手段は歪んでいようとも
彼の方法は、いつかアイを救うだろう……少なくとも、ネガティが成せる方法としては最善だ
[メイン] イリヤ : 何よりも、ネガウルフには矛盾がある
[メイン] イリヤ : 「貴方は、孤独を肯定なんかできてない!!」
[メイン] イリヤ : 「その大きな耳は!? その大きな口は、なんの為にあるの!!」
[メイン] ネガウルフ : 「ぐッ……!!ぐぅおぉぉおッッ………!!?」
[メイン] イリヤ : 本当に孤独なら、耳も口も必要ない
[メイン] ネガウルフ : 「お前をッ……!!お前らをッッッ!!!」
[メイン] ネガウルフ : 「食らうためだァァアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」
[メイン]
イリヤ :
“孤独”のネガティが、本当に孤独を愛せるのなら。生まれるのは虚無か
のっぺらぼうが良いところだ
[メイン]
イリヤ :
だが、その耳は、口は
コレでもかと大きく、今も閉じず開いている
[メイン] イリヤ : それは、つまり──!!!
[メイン] イリヤ : 「何度でも言う!!貴方は、孤独を愛せてなんかいないし……!!!」
[メイン] イリヤ : 拳を握り締め、渾身の力を込める
[メイン] イリヤ : 「あなたの耳も口も、そんな事のためにはない……!!!」
[メイン] イリヤ : 「狼少年も、大概にしなさいッ!!!」
[メイン]
イリヤ :
体の髄から、全てを引き摺り出し
思い切り振り抜いた──!!!
[メイン] イリヤ : 11d10 【元気】 (11D10) > 63[3,1,9,1,9,10,7,2,5,9,7] > 63
[メイン] イリヤ : 2D+0>=13 【元気】判定 (2D6+0>=13) > 10[6,4]+0 > 10 > 失敗
[メイン] イリヤ : 魔力を消費!!
[メイン] イリヤ : 1d6 (1D6) > 6
[メイン] イリヤ : 10d6 (10D6) > 38[5,2,4,4,5,4,6,5,1,2] > 38
[メイン] system : [ ネガウルフ ] 体力 : 13 → -25
[メイン] ネガウルフ : 「─────ぐ、はァッ」
[メイン] ネガウルフ : その一撃によって、狼男は大きく吹き飛ばされ─────ダウンする。
[メイン] ネガウルフ : 「………………」
[メイン] ネガウルフ : そのまま、大の字で地面に仰向けになったまま。
[メイン] イリヤ : ポタ、ポタと手から大地へと血が流れていく
[メイン] ネガウルフ : 「………チッ、そうだよ……俺様は、曲がり者だ」
[メイン]
ネガウルフ :
「俺様は……"孤独"だ、だが……"孤独"ってのは、だからこそ……
他者を欲するようになっちまう、そんな……感情だ」
[メイン] ネガウルフ : 「………だがよ、マジックガール、よぉーく聞け」
[メイン]
ネガウルフ :
「ネガティってのはな……負の感情の存在ってのはな……!
……アイデンティティを失えば、死ぬんだよ」
[メイン] イリヤ : 「ッ……!」
[メイン]
ネガウルフ :
「俺様は、"孤独"からの脱却を願いながらも
それを果たしちまえば、俺様は俺様じゃなくなる」
[メイン]
ネガウルフ :
「………ケッ、笑いモンだよなァ!全く!
ネガティってのは、生きにくいぜ!」
[メイン] ネガウルフ : 「なんで俺様達は生まれたッ!?どうしてこんな生き方を強いられる!?」
[メイン] ネガウルフ : 「…………クソがッッ!!」
[メイン] ネガウルフ : 「…………まァ、"今"のお前らに言っても、仕方の無ェ話だ」
[メイン]
ネガウルフ :
「今回は、俺様の負けだ」
むくりと起き上がり。
[メイン] ネガウルフ : 「あばよ」
[メイン] イリヤ : 「今……の?」
[メイン] ネガウルフ : ─────そのまま、狼男は一瞬にして姿を消す。
[メイン] イリヤ : その言葉が妙に耳に残り呟くうちにネガウルフは姿を消し
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「…………」
[メイン] イリヤ : 勝った筈のイリヤは、地面へと膝を付いた
[メイン] イリヤ : 「さ、流石に。キツかった……!」
[メイン] マジカル・ルビー : 「当たり前です!!体を無理に魔力で強化して突っ込んだ挙句。ネガウルフの攻撃を受け止めたんですから!!」
[メイン]
イリヤ :
小さな体で、大人の。しかもネガティのそれを受け止めれば。当然と反動が出る
ツケは筋肉痛だけですめば良い方だけれど───
[メイン] イリヤ : 「今は、もうひと頑張り。しなきゃ」
[メイン] イリヤ : 震える足に喝を入れ、立ち上がると
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ぐしぐしと、頬に触れながらも。そんな物言いをするイリヤに、ふふっと笑いを浮かべつつ。
二人の行く末を、見守る。
[メイン] アイ : 「…………お姉さん、達……」
[メイン] イリヤ : 「…えっと、その」
[メイン] アイ : 「……………」
[メイン] イリヤ : 「…勝ったよ!」
[メイン] アイ : イリヤの方を見て、そして。
[メイン] アイ : 「…………うんっ!」
[メイン] アイ : ぱぁっ、と笑顔を見せ。
[メイン] アイ : 「………ありがとう、それと……ごめんなさいっ!」
[メイン] アイ : 助けてくれたお礼と、そして、迷惑をかけてしまったことの謝罪。
[メイン] アイ : アイの周りに作られた氷の地面は、徐々に溶けていく。
[メイン] アイ : それはつまり─────ラビットケーキを氷漬けにしていた魔法もまた、解除されたことを意味し。
[メイン]
アイ :
……イリヤさんも、アンジェリーナさんも、すっごく、真っ直ぐな人達だった。
これが……マジカルガール、なんだ。
[メイン]
アイ :
あんなにも、痛い想いをしながらも、それでも……。
─────"夢"のために、頑張り続ける。
[メイン] アイ : ……私は、"劣等感"でもあって……それで、"夢"にも、なれるのだとしたら。
[メイン]
アイ :
私も……私も、イリヤさんや、アンジェリーナさんの持っているような
氷を溶かせるような情熱のある、"夢"に、なれるのだとしたら─────。
[メイン] アイ : ………きっと、マルさんの、力にも、なれるのかもしれない。
[メイン] GM :
[メイン] GM : アイデンティティを失ったネガティは一体どうなるのか?
[メイン] GM : それは、死を意味するだろう。
[メイン] GM : "劣等感"のネガティは、これにて、その役目を終える。
[メイン] GM :
[メイン] GM : ちゃんちゃん。
[メイン] GM : ─────そうは許さない。
[メイン] GM : それを許さない少女達がいる。
[メイン] GM : マジカルガール達の情熱は─────。
[メイン] GM :
[メイン] GM : ─────"奇跡"を起こす。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : ─────アイという少女は、今日この日を以てして。
[メイン] GM : "劣等感"のネガティとしての生を終え、そして。
[メイン] GM : "夢"のキボーとなった。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] アイ : 「…………私、頑張るよ!!」
[メイン]
アイ :
「イリヤお姉さんや、アンジェリーナお姉さんを見て……
なんだか、勇気を持てたの………!!」
[メイン]
アイ :
「ズルなんてせずに……ラビットケーキに負けないくらいの!
とびっきり美味しいお菓子!作ってみせる!」
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 夢は、叶わない時もあるかもしれない。
[メイン] GM : それでも─────それが人の、頑張ろうと思う気持ちになるのだとしたら。
[メイン] GM : 決して、悪いものなんかじゃないだろう。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 帰還判定
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 1D+0>=7 帰還判定 (1D6+0>=7) > 6[6]+0 > 6 > 失敗
[メイン] GM : 確定成功ですね
[メイン] 安心院アンジェリーナ : あ、繋がりで+5
[メイン] イリヤ : 5D+0>=2 帰還判定 (5D6+0>=2) > 9[2,2,2,1,2]+0 > 9 > 成功
[メイン] GM :
[メイン] GM : 少女達の、マジカルガール達の戦いは、続く─────。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] イリヤ : イリヤED「衛宮家、2階、イリヤ部屋にて」
[メイン] イリヤ :
[メイン] イリヤ : 布団をうぞうぞと動かし、冒涜的なうめき声を上げながら。苦悶する謎の生き物……
[メイン] イリヤ : イリヤがいた
[メイン] イリヤ : 「あ、足が……!!傷は塞がったけど、全身がギシギシ言うよぉ……!?」
[メイン] マジカル・ルビー : 「警告を無視して、あーんな無茶するからですよぉ」
[メイン] イリヤ : 「ル、ルビー! なんとか…」
[メイン] マジカル・ルビー : 「できなくは無いんですけどぉ……また言うこと無視されちゃうのも困るし、もがくイリヤさんが可愛いので、しばらくこのままにしちゃおうと思いまーす!!」
[メイン] イリヤ : 「このひとでなしぃ!!」
[メイン] マジカル・ルビー : 「ステッキですから〜♪」
[メイン] マジカル・ルビー : 「それとも、なんです? アイちゃんは兎も角、ネガウルフまで助けようとした事後悔とかしてるんですか〜?」
[メイン] イリヤ : 「しない!!」
[メイン] マジカル・ルビー : 「ですよね〜」
[メイン] マジカル・ルビー : ヒラヒラと飛び、鞄の中に潜ってしまう
[メイン] イリヤ : 「ああっ……うう、薄情なステッキ……!!」
[メイン]
イリヤ :
ルビーに対しての恨み節を零しながら
イリヤはなんとか寝返りを打つ
[メイン] イリヤ : …ネガウルフ、といえば
[メイン] イリヤ : 「“今の”私達に言っても仕方ない…?」
[メイン] イリヤ : 「どういう意味なんだろ……」
[メイン] イリヤ : 枕に頭を沈めながら、考え込むうちに
[メイン] イリヤ : 「考えるのやーめた、頭まだ痛くなっちゃう…」
[メイン] イリヤ : もっと幸せな事を考えよう
[メイン] イリヤ : 「……そうだ、マルさんのお菓子。もっと美味しくなったかな」
[メイン]
イリヤ :
ネガティとキボーである事に
そう大きな違いなど無いのかもしれない
[メイン] イリヤ : けれど……
[メイン] イリヤ : 「…二人が、一緒で。安心院さんと一緒に手伝うんだもん」
[メイン] イリヤ : 「きっと、大丈夫だよね」
[メイン] イリヤ : なんて、言っていると
[メイン] イリヤ : 「ピギッ!? ま、また足が攣ったー!!」
[メイン] イリヤ : …ルビーが許すまで、このまま呻めいていたという
[メイン] イリヤ :
[メイン] イリヤ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ED「補足」
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 事件は幕を閉じた……って言えるわけだけど、あたしたちの日常はこれからもずっと変わらないわけで。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
取りあえず、アイちゃんには謝っておいた。
あの時イリヤがいなかったら、あたしは間違いなく判断を誤ってた。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : あんな事があるなんて思いもしなかった……いや。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ……思いもしないことを実現させたのが、イリヤなのね。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
あはは、ほんと魔法少女らしい子なんだから。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : それに、マルさんのお店も、少しずつではあるものの好転はして行っているようだ。仕事のお得意様に、マルさんのケーキを配った意味が少しでもあったかもしれない。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
アイも、マルさんの手伝いと称して、小さな看板娘として頑張っているそうだ。
ネガティ……いや、キボーとなった子が家族になるなんて、前代未聞だろう。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
でも、そういうことくらいあったっていいかもしれない。
諦めたくない女の子のおかげ、なのだから。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 「……さーて、もうひと頑張りしなくちゃね」
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
アイは孤独ではなくなった。
では……あの孤独の狼は、また仲間を増やすのだろうか。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
今回の事件で、彼は”仲間”は増えなかったかもしれない。
ただ────”友達”はきっと、増えたのだろう。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : 一方的かもしれないけど。
[メイン]
安心院アンジェリーナ :
ふふっ、と笑いながらも。
ヘッドホンを耳に重ね、そこからは一昔前の音楽が流れていた。
[メイン] 安心院アンジェリーナ : ありきたりの歌が、安心院を元気づけた。
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ :
[メイン] 安心院アンジェリーナ :